文科省の答申には
『部活動は職務命令できる』
と書いています。

また,東京都教育委員会の【部活動の振興について】でも,
『校長は、所属職員に部活動の指導業務を校務として分掌させることができる。』
と書いています。

考察の結果,この文科省の答申と都教委の資料の内容が
真っ赤なウソである可能性が非常に濃厚になってきました。

私も,これまでの記事で,
『勤務時間内に限り,部活動の顧問は職務命令できる。』
と主張してきました。

しかし,2015年3月に確定した鳥居裁判の裁判例から,
『部活動の顧問は職務命令できない』
という可能性が,非常に濃厚です。(※公立中学校の場合)
99%,間違いないです。

つまり,文科省の答申や都教委の
『部活動は職務命令できる』
は,
真っ赤なウソだということです。

その理由を説明します。

鳥居裁判では,以下のような判決が下りました。(要約)
『社会通念上必要と認められるものである限り,勤務時間外に行った職務は,
包括的な職務命令が出されたものと認められる。』

これを部活動に当てはめて考えてみましょう。

まず,
『部活動』は社会通念上必要と認められているものであることは明確です。
そして,(公立中学校では)部活動の指導は勤務時間外から始まるという実態があります。

例えば,校長が
『あなたを野球部の顧問に任命する。これは命令だ。』
と,職務命令を発動したとします。

この校長の職務命令は,
勤務時間外の野球部の指導を命令する。』
という,職務命令を包括することになるのです。


野球部の顧問をせよという職務命令は,決して
『野球部の顧問は命令するが,勤務時間外の指導はしなくてよい。』
という職務命令ではないでしょう。

当然です。
まさか,『野球部の練習は,放課後10分だけ,勤務時間内に行えばよい。』
などと思っている人は世の中にいないでしょう。
野球部の勤務時間外の練習や土日の試合は,社会通念上必要と認められているのです。

簡単に言えば,
『野球部の顧問を命令する』
という職務命令は
『勤務時間外の野球部の練習を命令する』
という職務命令なのです。(包括的職務命令)

ご存知の通り,
超勤4項目により,
勤務時間外の部活動の指導を職務命令することはできません。

よって,
『部活動の顧問は職務命令できない。』
ということになります。

私自身,校長に対して鳥居裁判の裁判例を出し,
『私に部活動の顧問を職務命令することは,超勤4項目に抵触する恐れがある。』

と言いました。

その結果,部活動の顧問を命令されることはありませんでした。

鳥居裁判の裁判例は,部活動の顧問制度の問題だけでなく,
教員の労働問題に,深くメスを入れるものとなるでしょう!